私は不動産や相続について勉強を進める中で、「実家が空き家のままになっていて、売るべきか迷っている」という悩みを扱った記事を、ネット上でよく見かけます。実際に相談を受けているわけではありませんが、こうした悩みは多くの人に共通する現実だと感じています。
結論から言うと、この問題は「売るか残すか」をいきなり決めようとするから難しくなるのだと思います。本来は、その前にやるべき「整理」があります。
空き家になっている実家について考えるとき、まず頭に浮かぶのは
- 思い出があるから残したい
- いつか使うかもしれない
- 売るのは気が引ける
こういった感情ではないでしょうか。私自身も同じ立場であれば、すぐに結論は出せないと思います。ただ、ネット記事などを見ていて感じるのは「とりあえずそのまま」にしてしまった結果、後で困るケースが非常に多いということです。
例えば、数年間空き家のまま放置してしまい、建物が傷んでしまったケース。最初はそのままでも売れる状態だったのに、時間が経つことで「解体しないと売れない家」になり、結果的に大きな費用がかかってしまう、という流れです。
ここで私が重要だと感じているのは、「時間は味方ではない」という点です。
空き家は、人が住まなくなった瞬間から劣化が進みます。
- 換気がされない
- 湿気がこもる
- 設備が傷む
こうした状態が続くことで、資産としての価値は徐々に下がっていきます。では、どう考えればいいのか。私はまず、「使う予定があるかどうか」で整理するべきだと思います。
- 自分が住む予定がある
- 家族が住む可能性がある
- 誰も住まない
この3つのどれに当てはまるかを考えるだけで、方向性はかなり見えてきます。もし「誰も住まない」と分かった場合は、次に「持ち続ける理由」を考える必要があります。
ここでよく見かけるのが、「とりあえず置いておく」という選択です。しかし実際には、その間も固定資産税はかかり続けますし、管理の手間も増えていきます。
つまり、何もしないという選択は、「現状維持」ではなく「負担の積み重ね」になることが多いのです。一方で「すぐに売るべきか」と言われると、そこにも迷いが出てきます。
- 今売るのが正解なのか
- もっと良いタイミングがあるのではないか
- 安く売ってしまうのではないか
こうした不安は当然だと思います。ここで私が大切だと考えているのは「いきなり決断しないこと」です。売る・残すという結論を出す前に、
- いくらで売れそうか
- 維持するといくらかかるか
- 活用できる可能性はあるか
このような情報を整理することが先です。ネット記事などを見ていても、うまくいっているケースは必ず「整理」をしています。逆に、後悔しているケースは「なんとなく放置」してしまったパターンが多いと感じます。
そしてもう一つ、強く感じていることがあります。それは「迷っている状態が一番長く続く」ということです。決断してしまえば前に進めますが、迷っている間は何も変わりません。そしてその間にも、家の状態や状況は変化していきます。
だからこそ私は、「結論ではなく整理を優先する」という考え方が大切だと思っています。現状を整理し、選択肢を知り、その上で自分に合った方向を考える。この順番で進めるだけでも、判断の精度は大きく変わるはずです。
最後にお伝えしたいのは、空き家の問題は「急がなくていい」と思われがちですが、実際には「早く整理した方が良い結果につながる」ことが多いという点です。
もし今、「売るべきか迷っている」と感じているのであれば、それは自然な状態です。ただし、そのまま放置するのではなく、「整理すること」から始めてみてください。それが、後悔しない選択につながる第一歩になると私は考えています。

