住み替えは「今の家を売る」と「新しい家を買う」という2つの取引を同時に進める必要があるため、進め方を誤ると資金や生活に大きな影響を与えます。結論から言えば、住み替えを成功させるためには「売却と購入の順番を正しく設計すること」が最も重要です。本記事では、初心者の方でも理解できるように、住み替えの流れと正しい進め方を解説します。
まず住み替えの基本的な流れは以下の通りです。
現在の家の価値を知る
売却と購入の方針を決める
資金計画を立てる
売却活動を開始する
新居の購入を進める
引き渡しと引っ越しを行う
一見シンプルに見えますが、この中で最も重要なのが「②の方針決定」です。ここで判断を誤ると、その後のすべてに影響が出ます。
住み替えの進め方は大きく分けて2つあります。
1つ目は「売却先行」です。
今の家を先に売り、その資金で新居を購入する方法です。この方法の最大のメリットは、資金計画が明確になる点にあります。売却金額が確定してから購入に進むため、無理のない予算で新居を選ぶことができます。
一方で、売却後にすぐ新居が見つからない場合、一時的に仮住まいが必要になります。引っ越しが2回になることや、追加費用が発生する点はデメリットです。
2つ目は「購入先行」です。
先に新居を購入し、その後に現在の家を売却する方法です。この場合、仮住まいが不要でスムーズに生活を移行できます。
しかし、売却が予定通り進まなかった場合、住宅ローンが二重になる「ダブルローン」の状態になる可能性があります。これは資金面で大きな負担となるため、慎重な判断が必要です。
ここで多くの方が悩むのが、「どちらを選べばよいのか」という点です。結論としては、以下の基準で判断すると分かりやすくなります。
・資金に余裕がある → 購入先行も検討可能
・余裕がない → 売却先行が基本
特に住宅ローンが残っている場合は、売却先行を基本に考える方が安全です。
次に重要なのが「資金計画」です。住み替えでは、売却価格と購入価格の差額だけでなく、さまざまな費用が発生します。
例えば、
・仲介手数料(不動産会社への報酬)
・登記費用(名義変更などの手続き費用)
・引っ越し費用
・仮住まい費用(必要な場合)
これらを事前に把握しておかないと、「思ったよりお金が足りない」という事態になりかねません。
実際にあったケースでは、売却価格を基準に新居を決めたものの、諸費用を考慮しておらず、最終的に資金が不足しました。その結果、売却価格を下げて早期売却を選ばざるを得なくなり、想定より大きな損失となりました。
また別のケースでは、「良い物件が見つかった」という理由で購入を先行した結果、売却が長引き、ダブルローンの状態が続きました。毎月の支払いに追われ、「なぜこの順番で進めてしまったのか」と後悔することになりました。
このような失敗の多くは、「順番の設計不足」が原因です。
さらに見落とされがちなのが「売却価格の考え方」です。査定価格はあくまで目安であり、必ずその金額で売れるとは限りません。現実的な価格を基準に計画を立てることが重要です。
住み替えを成功させるためには、
・売却
・購入
・資金
この3つを別々に考えるのではなく、「一体として設計する」ことが必要です。
安住設計では、住み替えを単なる不動産取引ではなく、「生活とお金の設計」として捉えています。順番を整理し、資金の流れを明確にすることで、無理のない住み替えが可能になります。
もし今、住み替えを検討しているのであれば、まずは「売却と購入の順番」を決めることから始めてみてください。この一歩が、その後の結果を大きく左右します。

